寄稿
【管内の概況】
網走文庁管内は、北海道の北東部に位置し、オホーツク海と約278kmの海岸線で接しており、総面積は新潟県に匹敵する10,690uと全道の約13%を占め、3市15町1村からなっています。
気候は冬の寒さは厳しいものの、比較的穏やかで、年間平均降水量は800ミリ前後と少なく、日照時間にも恵まれています。
例年1月から3月にかけて、オホーツク海面が流氷に覆われるという、他の地域には見られない特色を持っているほか、世界自然遺産知床や網走国定公園など、豊かな自然環境に恵まれています。
【網走の水産業】
オホーツク海は、流氷がもたらす栄養塩の影響もあり水産資源が非常に豊かで、世界3大漁場の北西太平洋の一部に数えられます。
管内の水産業は、沿岸を漁場とするホタテガイ桁網漁業、サケ定置網漁業並びに沖合海域を漁場とする底びき網漁業を中心に営まれ、平成18年の漁業生産は26万トン、517億円で、漁獲量、金額とも概ね全道の20%を占めており、近年では、漁獲量で横ばい、金額ではサケの価格上昇等から増加傾向にあります。
魚種別には、ホタテガイ、サケ、ホッケ、スケトウダラの4魚種で漁獲量全体の90%程度を占めますが、金額ではこれらに加えカニ類の割合も高くなっています。
ホタテガイは、国際的にも高い評価を得てアメリカ、韓国やEU等に輸出され、サケも中国を中心に輸出が急増しており、魚価の回復に大きく貢献しています。
また、カラフトマスは、オホーツクサーモンとして管内の漁業関係者、行政一体となって消費の拡大を図っているほか、サケやシラウオも地域ブランドづくりの取組が進められています。
【網走の水産基盤整備事業】
当管内の主力魚種であるホタテガイや秋サケを代表とする水産物について、よりいっそう消費者のニーズに応えられるよう、生産の拠点基地である漁港において、漁業者が安全かつ効率的に漁業生産を行うことはもとより、消費者に安心安全な水産物を供給する生産体制及び流通機能の強化を図る必要があると考えております。
管内には、第1種12港、第2種5港、第4種4港の計21港がありますが、そのうち、平成20年度の漁港整備事業は、本年7月末現在、合わせて8地区14.2億円を執行しているほか、今後さらに1地区の執行を予定しています(計10漁港)。
「地域水産物供給地盤整備事業」では、漁船の安全な航行や水産物の荷揚げをスムーズに行うなどを目的として、防波堤や防砂堤、物揚場や船揚揚の整備を行っています。
また、「広域漁港整備事業」では、上記の整備のほか、市場の衛生管理をより高度化するため、屋根付き岸壁や取排水施設の整備に向けた事業展開を図っています。
一方、漁場整備は、「地域水産物供給基盤整備事業」にてエゾバフンウニを対象とする餌料農場の造成を1地区、「広域漁場整備事業」にてタラ、ホッケ、カレイ、ミズダコ等を対象とする魚礁の設置を1地区実施しており、平成20年度は、2地区合わせて2.0億円の予算を計上しています。
オホーツクの豊かな水産資源を活かし、さらなる水産業の発展を図るために、今後も、水産基盤整備事業を積極的に実施してまいりたいと考えております。